スタートップのためのブランディング

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もう『PR』を「広報/広告 」と同じにするのをやめませんか。広告業界、広報当事者方たちへ


もう『PR』を「
広報/広告 」と同じにするのをやめませんか。広告業界、広報当事者方たちへ

クソいけてないのが「広報PR=メディア露出」が指標になっている企業や人や、「PR表示」をインターネット広告団体が定義するなど、はげしくイケていません。

チカイケ秀夫(パーソナル・ベンチャーキャピタル)です。私は普段、企業ブランディングの立場から、プロモーション戦略にも関わっています。

その中でブランディングからプロモーションの話や、相談もありますが、自分が最初に必ず確認するのは「会社と社会は、どういう関係性を作りたいでしょうか」です。

目的は、PRはPublic Relations(社会との関係性)だからです。

ヒアリングで担当者やCEOでも答えられません=本質的な価値が出せていないです。

なぜPR広報が一緒なの

パブリックリレーションズの中で、メディアリレーションもありますが、本質的には、本当に届けたい顧客がいて、その人にメッセージを届けて、認知や共感をもらい、体験してもらい、顧客になってもらうためです。

それが「〜で取り上げられました」で終わっていて、本当の届けたいたい顧客との顔がイメージできているか甚だ疑問です。

なぜ広告表記がPR表記

「広告」と「Public Relations」の概念は、全く違うものが、広告と一緒の概念になっています。

一般社団法人 インターネット広告推進協議会(JIAA)でも、ネイティヴ広告を出す際の義務として「PR表記」になっています。

http://www.jiaa.org/dbps_data/_material_/common/nativead/jiaa_nativeads_150318_1-2_guideline.pdf

組織自体がおかしい

企業の中の組織でも「PR広報」や、マーケティング部の下に「PR」部署もあるので少なくありません。

なぜ誤った定義になったかと本質的な価値について

ここに歴史的な経緯がありますが、このプロセスから今の状況があります。

パブリックリレーションズ(Public Relations)は20世紀初頭からアメリカで発展した、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団・社会)との望ましい関係をつくり出すための考え方および行動のあり方である。
日本には第2次世界大戦後の1940年代後半、米国から導入され、行政では「広報」と訳されたのに対し、民間企業では「PR(ピーアール)」という略語が使われてきた。
しかしその後「PR」は「宣伝」とほとんど同じ意味で使われるようになり、本来持っていた意味から離れてしまった。そのため多くの組織では、その職務を「広報」と呼ぶことが多くなっている。
パブリックリレーションズとは(日本パブリックリレーションズ協会)
http://prsj.or.jp/shiraberu/aboutpr

本質的には、企業活動すべてにおける在り方を定義するのが、Public Relationsの本質であり、企業においてすべての社員、IR/CS/営業もPublic Relationsに沿って、それぞれの関係者と『関係性(信頼関係)』をコミュニケーション、企業活動して構築していく企業の根本的な指針です。

問題の本質について

日本の歴史的に見ても、学生の頃から履歴書に代表される「自己PR=ピーアール=アピール」の認知と体験が当たり前=強い固定観念になっています。

民間企業では「PR(ピーアール)」という略語が使われてきた。

じゃあどうすれば解決するか?

自分が提案したいのは「PR」と略さずに『Public Relations』を使うことです。

ブランディングをやっている立場として「PR=アピール」の認知を変えること大変なので、そもそもの『Public Relations』を使うことで、本質的価値を認知と体験を、民間企業の当たり前にしていくことです。

具体的にどうすればいいかのか

普段、自分が関わる仕事で、ブランディングの初期の段階で『Public Relations』の概念と確認をしていますが、担当者や部署レベルで頑張っても、経営者がかわらないと、企業全体は変わりません。

そこで企業がCMO(最高マーケティング責任者)が、『Public Relations』の概念を導入することで、CEOと同じ権限で『Public Relations』を定義することで、企業活動におけるすべてのコミュニケーションを最高の責任を持つことです。

マーケティング=市場リサーチではなく、Public Relations(PR)担当者は、メディアだけではなく、IR/広報/CS/営業/外部パートナー/社員も含めた、すべての関係者との在るべき関係性を、企業活動におけるすべてコミュニケーションに責任を持つことが当たり前になることです。

伝えたいこと

ブランディング屋の自分がこだわるかは、ブランディングの初期で確認するくらい、コーポレート・アイデンティティにとって『Public Relations』が重要な概念だからです。

そしてほとんどの企業は、『Public Relations』の概念を定義することで、企業活動そのものが変わるからです。

やることは、すべての関係者と洗い出してもらい、それぞれ関係性を定義して、相手を分析して、その人たちに伝えるためのコミュニケーションを考えて、企業活動を通して、関係性を構築していくこと、一方的ではなく、本当に伝えたい顧客と伝えて、関係性が作る、企業が永続していくからです。